先日の2023福岡ギターショーに訪れた際、CASIO社がクラウドファンディングを実施している「DIMENSION TRIPPER」が展示されていましたので、体験させてもらいました。
ギターストラップでエフェクトをかけるという変態エフェクターですが、実際に触るとかなり面白い製品でした。
実際にCASIOの方とお話がきけたので、そのレポートも合わせて。
中身はペダル
製品の詳しい内容は公式HPを御覧ください。
演奏デモもございます。
ざっくりいうと、ストラップ部分にバネのような装置をつけ、その伸縮がペダルの役割を果たします。
私は勘違いしていたのですが、このエフェクター自体にエフェクトがあるわけではなく、エクスプレッションペダルもしくはフットスイッチとして役割を行うとのこと。なので別途EXP端子もしくはCTRL IN端子のついたエフェクターが必要になります。
「エフェクター機能はないんですね~」ときくと
CASIO「はは!我々はエフェクター作ってないですからね!」
と笑いづらいジョークをとばされました。
しかし昨今はマルチエフェクターを持つ方が非常に増えたため、外部端子を使用する機会は自ずと増えているでしょう。外部端子に攻め込むというニッチな層を狙っています。
フットペダルと完全に同じようには使えないけど、
飛び道具的な使い方には非常に有効
ペダルを使ったエレキギターの演奏と言えば、やはりワウが代表です。しかし、フットペダルのワウと同等に扱うのは至難の業でした。というのも、ストラップを上下するためには左手を大きく上下する必要があり、フレットを押す力がどうしてもぬけてしまいます。
一方でワーミーなどの飛び道具的な使い方は、手で行うだけあってかなり直感的であり、設定を突き詰めればフットペダルよりも有用である可能性を感じました。
レスポールなど固定ブリッジのギターで、大胆なアームダウンのような演奏をするのに使えそうです。
また、レイテンシーも非常に低めであり実際の演奏には全く支障ないレベルでした。ただ、ものすごく繊細な表現をする場合は気になる可能性があります。
発想はBベンダーギターから
ストラップでエフェクトのようなことをするのは、実はむかーしのギターから存在しており、その始祖はBベンダーギターと言われています。
Bベンダーは、Telecaster®のB弦(2弦)のピッチを全音(C#まで)上げる機械式のデバイスで、ペダルスチールギターのように、うねる泣きのベンドを表現します。
以前このギターの存在を知ったときにはこう思いましたね
「で?」
ということで現在は販売されていない機構になります。
それでもってCASIOの方はこういう発想をします。
そうはならんやろ
天才の発想で開発がはじまったようです。
そして展示会にて
私「これってBベンダーギターが発想の元なんですか?(この時は開発の経緯を知らなかった)」
CASIO「そうなんですよ!それでこれが、ギターシンセにDIMENSION TRIPPERをつけたデモ機です!これで2弦だけをベンドさせることもできますよ!」
私「はは…(そのデモあまりにもマニアック過ぎんか?)」
隣のブースでは「木材ガー」「回路ガー」という話をしているのに、ギターシンセでBベンドギターのデモをやってるんですよ。イカれてますわこの会社。
現在クラウドファンディング中
本商品はクラウドファンディング型の企画となっています。気になる方はぜひ支援されてください。
謝辞
CASIO社の小林様、この度は非常に熱の入ったお話をしてくださり誠にありがとうございました。